雑記 トゥ ザ フューチャー

odmishienの雑記です。あくまでも”トゥザフューチャー”を意識しています。

ツアー"GANBARE! MELODY" by 柴田聡子inFIRE@京都磔磔 に行ってきた

昨日、行ってきました。そのライブレポートのようなものです。自分用メモです。

京都磔磔は45周年だし、平成最後のライブだし。そんなメモリアル(?)なライブを観に行けるなんて幸せ者だ。

彼女の作る音楽は本当に絶妙なバランスの上に成り立っている感じがする。すなわち、あと少しでも何かがズレたら、そこらにいる凡庸なシンガーソングライターになるか、聞きづらくて何を伝えたいのかよく分からないことを言うアーティストになってしまう気がするのだ。そのギリギリの緊張感の上で生まれるメロディーや歌詞は完全に唯一無二で、彼女の才能をギュッと詰め込んだ音楽が次々に作られている。今回のツアーアルバム「がんばれ!メロディー」も間違いなく名盤だ。

ライブの始まりもアルバムの1曲目も「結婚しました」だった。このキャッチーでどこか懐かしいメロディーは何度聴いても心地よい。そしてこんなおちゃらけた雰囲気の中にハッとさせられる歌詞が散りばめられている。

絵に描いてた梅は散ってしまい 枝だけ広がる画用紙も
許せるようになった日々が お待たせと頭を掻いて

どうしてこんな歌詞が書けてしまうのだろう……?結婚をテーマにした曲の中でこんな歌詞を見ると、私の心はザクザクになってしまう。私にも「枝だけ広がる画用紙も許せるようになった日々」がいつか待っているような気になる。

私はこの「涙」という曲が本当に好きで、聴く時に聴けば本当に涙が出そうになる。切ないギターとベースの掛け合いに彼女の歌声がしっとりと染み付いている。

ここが朝になったり
夜になったりするように
そこが朝になったり
会いたい人に会ったり
寝ないでがんばってたり
目を見て言うよほんとうに
目を見て言うよほんとうに

目を見て言うよ ほんとうに という部分で「ワーッ!!!!!」ってなる。私たちの心の中にある言語化することがほんとうに難しい感情や感覚を、スッと掬い上げられた気がしてしまう。

ライブの途中で一度バンドはお休みして、柴田聡子がアコギ1本で弾き語る曲が数曲披露された。その中の1曲。

ああ 祝福は遠い
人のつぶてを踏んづけてきた
踏んづけてきた

こんな歌い出しを持ってくるなんて、どういう了見だ?引き出しの多さがエグい。終盤にかけて歌い方に力が入っていく。本当によく出来ている曲だと思う。

そしてコレ。なんなんだ?意味が分からない。意味が全く分からないと、頭の中がハックされている感覚になる。しかしこの曲、有り得ない中毒性と脳内再生性があるので迂闊に聴いてはいけない。もう手遅れかもしれないが……。ちなみにこの曲はアルバムに収録されている音源とは違ってバンドver.で演奏されていた。それがもうゴリゴリの演奏で曲が終わった瞬間、会場が一瞬息を呑んだ。

何よりふざけた良すぎるTシャツを購入できてよかった。これ着て学校に行く夏を楽しみにしようと思う。平成最後のライブが柴田聡子で、磔磔で最高だったので、令和もどんどんいい音楽を生で聴きに行きたいと思う。